北欧Nordicshop きまぐれミニコラム

北欧Nordicshopのミニコラム。お買い物につかれたらこのコラムで一服してください。

ぶらり北欧、街あるき 第9回「北欧のショップディスプレイ」

「ぶらり北欧、街あるき」、
第9回は「北欧のショップディスプレイ」です。

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買付ではもちろん公共交通も使いますが、
歩いて移動する時間も結構長いものです。

お目当てのアンティークショップに急いでいたとしても、
個性的なディスプレイやセンスの良い外観に思わず足を止めて写真を撮ってしまいます。

そんな、北欧のディスプレイなどをご紹介していきます。


まず冒頭の写真はストックホルム・アーランダ空港内のカフェにて。
400年以上続く伝統工芸のダーラナホースを織り交ぜながら、
スタイリッシュ&モダンな空間に。

市街ではこんなおしゃれなレストランも見かけました。

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高い天井とむき出しの配管、ブラック&ホワイト。
クールで洗練された街・ストックホルムならではです。


道端のショップ看板もブラック&ホワイトで。

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自転車の街ともいえるストックホルムで、
都市に溶け込みながらさりげなく恰好よくアピールするセンスに惚れこんでしまいました。


一方で、個性的で遊び心のあるディスプレイも特徴。

マネキンを使って通行人をびっくりさせるようなショップが目立ちます。

旧市街・ガムラスタンでは・・・

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うわっ!

マネキンにお面を付けた上に、脳の形をしたものをかぶらせていて怖い・・・
よく見るとカモメも帽子をかぶっていてシュールな雰囲気。


すぐ近くでも、マネキンが立っているアンティークショップが。

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やっぱり怖いです。


お土産屋さんではちっちゃなサンタクロース・トムテもお出迎え。

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怖さはないものの表情がかなりリアルで、
元々観光地ではありますがちょっとしたテーマパークのような感覚も味わえるのがガムラスタンです。

 

南のセーデルマルム地区でも、古着屋さんの軒先にいらっしゃいましたよ。

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この時は、生きている人だとすっかり思っていたので本当にびっくり!!
日本では普通外に置かれていませんからね。


同じくセーデルマルムで、これまた自転車を使った看板+鳥のオブジェ。

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奥のキッチュな雑貨屋さんのものです。

結構車道にはみ出しているんですが、
その辺はわりと大胆というか周りも大らかというか。
ストックホルムっ子の気質も感じ取れます。

 

さて、続いてはヘルシンキにて。

こちらでも軒先に大胆にもトナカイのはく製(?)がいてドキッとさせられます。

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セカンドハンドショップではマネキンよりもびっくりする蝋人形らしきおじさんが・・・

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国は違えど、ちょっと驚かせてみようという気質はスウェーデンと似ているようです。


日本でもおなじみの2大ブランドのショップにも行ってみました。

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marimekkoのメインショップでは、ちょうどunikko柄誕生50周年ということで、
窓ガラスにピンクのunikko柄が貼られていて華やかな雰囲気が満点です。


エスプラナーディ通りのイッタラショップのファサードもパチリ。
ティーマにも使われるイエロー&ブルーが良い色合いです。

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古い建物に馴染むようにしてブランドショップが立ち並ぶのも、
この通りの特徴であり景観のよい街並みです。

別の年に行った時のイッタラショップはこちら。

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ティーマのマグを照明に仕立てたセンスに脱帽です。

 

最後は番外編。

ショップではないですが、
ヘルシンキ市街のショッピングセンターで見かけた園芸屋さんのキャンペーン。

3日後が母の日ということもあって、ほほえましくてかわいいカーネーションの着ぐるみを着ていました(笑

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赤い花の人もいましたよ!

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以前ご紹介したスーパーマーケットもそうですが、
北欧のショップディスプレイも文化や気質の違いが垣間見えてきて、街あるきの醍醐味の1つ。

あてもなくぶらぶらとする、そんな旅も新しい発見があって面白いかもしれませんね。

 

 

・プロフィール
和田英朗

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 2007年から都内某インテリアショップに勤務、店長を歴任。

その時に出会った北欧食器に強く惹かれ、2012年に北欧ヴィンテージ専門のWEBSHOP「pippuri(ピップリ) http://www.pippuri.jp/」を立ち上げる。

年に1回程度、フィンランドスウェーデンにて現地買付を行い、
1950〜80年代ならではの素朴な北欧デザインの素晴らしさを伝えるべく、催事にも積極的に出店している。

ぶらり北欧、街あるき 第8回「北欧ヴィンテージのお買いもの〜アンティークショップ編〜」

「ぶらり北欧、街あるき」、
第8回は「北欧ヴィンテージのお買いもの〜アンティークショップ編〜」です。

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第6回・7回でご紹介した蚤の市・セカンドハンドとともに、買付で欠かせないアンティークショップ。

そのほとんどが個人経営で、個性的な店づくりや店主が楽しめるとともに、
豊富な品揃えがあるので探しているものを見つけやすい特徴があります。

その中で大きく分けると系統は2つ。
レトロモダンな1950-1980年代中心のヴィンテージショップか、
100年ほど前のものやノンジャンルなアンティークものを扱うショップということになります。

ヴィンテージショップは比較的綺麗で、ショーウィンドーがカラフルで目を引くお店が多いです。

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しっかりシリーズごとに並べていて見つけやすかったり、

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まるで新品のデザインショップのようにガラスをきれいに見せて、デザイナーの紹介もあったり。

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冒頭の写真のように色でまとめているレイアウトもありますが、見ているだけでため息が出てきてしまいます。
ちなみに、そこはヘルシンキから北に電車で2時間ほどいったタンペレの街にあるアンティークショップですが、1年後にいったらすっかりレイアウトが変わっていて、また素敵な空間でした。

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以上はフィンランドのショップ写真ですが、
スウェーデンでのおすすめはこちら。

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グスタフスベリの街にあるアンティークショップで、ストックホルムからはバスで30分ほどかかりますが必ず立ち寄ります。

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こちらのグスタフスベリのPynta/ピンタ(奥のピンクのリンゴ模様)のスクエアプレート、ボウルはなかなかお目にかかれないもの。
お値段もびっくりするほど高くて買い付ける勇気はありませんでしたが、いつでも抜群の品揃えで、探していたものも見つかります。

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奥にはリサ・ラーソンの工房があって、ちょっとのぞかせてもらったり、グスタフスベリの陶磁器博物館、アウトレットショップもあって観光にもぴったりですよ。

 さて、もう一方のノンジャンル系はまた随分雰囲気が変わってきます。

ストックホルムの旧市街、ガムラスタンの小路を歩いていて、一見ヴィンテージものが無さそうな外観ですが、念のため入ってみると・・・

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探していたヴィンテージのイッタラ・アアルトベースに出くわしてびっくりしたりします。

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ヘルシンキの街中でも。

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シャンデリアやジャンク品などごちゃごちゃとした中のあちらこちらに、アラビアのお皿やヌータヤルヴィのガラスものが隠れていました。

こういったお店は探すのも大変ですが、その分お手頃に手に入るので、セカンドハンドショップに近いイメージですね。

逆に、きれいで品揃えがものすごいショップほど相場が高めなので、探していてどうしても手に入れたいものだけを買い付けたりします。
あとは目の保養ということで・・・

 

さて、「北欧ヴィンテージのお買いもの」ということで3回にわたって連載してまいりました。

蚤の市・セカンドハンド・アンティークショップ三者三様ある中、うまく活用しながらたくさん巡って買付をしているということなんです。
遠くまで来たのに何も買い付けられなかった、ということも何度もありましたが、それぞれの会場・お店に入る時のワクワク感はたまらないものがあります。


みなさんが現地に行ける機会はなかなかないかもしれませんが、参考としてまとめてみます。

・蚤の市・・・街中でも開かれるが、土日中心なのでスケジュール次第。不要品がメインだが、思わぬ掘り出し物が見つかることも。宝探し感覚が楽しい。

・セカンドハンド・・・探しているものは見つかりづらいが、価格は安めで宝探しの感覚が楽しい。時間がある人向け。

・アンティークショップ・・・価格は高いが、珍しいものや探しているものに出会える。街を歩いていると出くわしやすい。時間がない人にもおすすめ。


といった具合です。
北欧に行かれた際には、ぜひ時間を多めにとって買付気分を味わってみてはいかがでしょうか?

 

・プロフィール
和田英朗

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 2007年から都内某インテリアショップに勤務、店長を歴任。

その時に出会った北欧食器に強く惹かれ、2012年に北欧ヴィンテージ専門のWEBSHOP「pippuri(ピップリ) http://www.pippuri.jp/」を立ち上げる。

年に1回程度、フィンランドスウェーデンにて現地買付を行い、
1950〜80年代ならではの素朴な北欧デザインの素晴らしさを伝えるべく、催事にも積極的に出店している。

 

 

北欧Nordicショップねこと一緒に北欧にお買いもの

ヴィンテージ商品を厳選してお届けします。 

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『ノルウェーの夏論』第3回 「ノルウェーの夏休み」

 7月に入ると、ノルウェー全国が完全に夏休みの感じになります。ノルウェーでは、夏休みということは、二つに分けています。


第一は「学校の休み」です。名前の通り、小学校から高校までの夏休みです。6月20日頃から8月20日頃まで、年によって8~9週間の休みが普通です。ヨーロッパにくらべたら、これはかなり早いです。南ヨーロッパでは、「夏」ということを一番感じる月は8月なのに対して、北欧では8月の月末はもう収穫の季節で、秋の気分になっています。


学生の夏休みの遊びは、家族や住む場所によってそれぞれ違いがあると考えられます。私の場合は、両親二人とも教師の仕事をしていた為、両親の夏休みは私とほぼ同じでした。しかし、両親が夏のノルウェーが大好きですので、海外旅行が非常に少なくて、7時間の運転で母の実家への旅と6時間半電車を乗って父の実家への旅が定番でした。夏休みの一番強い思い出は、暑い車に乗りながら、本を読んでいたことです。


もっと楽しい夏の遊びもあります。ノルウェーの人々が大好きなアウトドアのほか、さまざまな趣味をして過ごすサマーキャンプがあります。高校生以上だと、若者のための政党が、楽しい時間を過ごしながら政治や社会的な問題を勉強したり議論したりするサマーキャンプもあります。高校生は、「夏の仕事」と呼ばれる、夏の期間だけバイトをする習慣もあります。典型的な「夏の仕事」は道路沿いの露店で、時期の短いノルウェー産イチゴを売ることです。

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 世界中の学生が、いろいろな遊びをする夏休みがありますが、ノルウェーの第二の夏休みの種類は、もう少し珍しいことかもしれません。これは、「共通休み」という休みです。7月中、スタッフ全員が休むため、営業を3週間の間休止する会社がとても多いです。


この習慣の由来は戦間期ノルウェーに強かった製錬業にあるらしいです。労働者が休む時は、それぞれの期間に休んで低下した作業能力で製錬設備を経営するより、同時に休ませて設備を休止するほうが実用的で利益に効果的でした。このやり方が、工業と建設業をはじめ、さまざまの業界に広まりました。

 
営業を休止できない会社で働く人の場合、共通休みにならなくても夏休みは十分取れます。ノルウェーの雇用法による、みんながもらう25日の有給休日のうち、18日間連続して「主要休期間」として6月1日~9月30日の間に取る権利があります。ということで、洋服屋さんのノルウェーの元バイト先でも、マネージャーを含めて全員が夏の間にそれぞれ4週間の夏休みを取っていました。

 
こういう長く休む習慣は、さまざまな影響もあります。バイト先のような、ずっと営業する会社では、夏はバイトに任せるという会社が結構あります。「夏休みだ」ということがよくわかる業界のひとつは、メディアです。ジャーナリストや、その情報源になる政治家やビジネスも夏休みになるので、新聞の記事などがくだらない話題となり、新米記者が書いているということが、わかるようになります。 この様な期間のことを、どういう訳か「きゅうりの期間」と呼んでいます。イギリス英語では「Silly Season」と言います。

 
ノルウェー人のみんながいろいろなレジャーで夏を精一杯楽しむ習慣は、以前から夏休みが長期間あることから来たことか、ノルウェー人が夏を大切することが長い夏休みの由来になったのか、「卵が先か鶏が先か」のごとくよくわかりません。しかし、夏の間、みんなが休むということが現在のノルウェーの夏のリラックスした雰囲気の要因であることは明白です。

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Ingrid Helene Ludvigsen(イングリ・ヘレーネ・ルドヴィグセン)

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自己紹介

私はノルウェートロンハイムで生まれました。人口が18万人の、3番目に大きい町です。幼少期はオーストラリアで過ごし、イギリスの大学では日本学を専攻して日本にも留学生として2年ほど滞在しました。その海外経験によって、ノルウェーの面白いところや、ちょっと意外なところがより分かるようになりました。現在、東京のBLANCWAYでウェブの仕事をしています。

 

 

北欧Nordicshop ねこと一緒に北欧にお買いもの

 BLANCWAYの北欧紅茶はこちら

  → http://www.mg-nordic.jp/products/list.php?category_id=20

 

ブランウェイ 代官山 紅茶・ティーグッズ・銀食器・北欧雑貨」

ぶらり北欧、街あるき 第7回 「北欧ヴィンテージのお買いもの~セカンドハンド編~」

みなさんこんにちは!

 

「ぶらり北欧、街あるき」、
第7回は前回の蚤の市編に続いて、「北欧ヴィンテージのお買いもの~セカンドハンド編~」です。

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北欧は蚤の市も盛んですが、同様にリサイクルという目的でセカンドハンドショップも街中にたくさん。
日本で言うとリサイクルショップのようなものです。

好立地のチェーン店から郊外の個人商店までさまざまなお店があり、アンティークショップとは違った楽しみがあって買付ではハズせないところ。


まずチェーン系のセカンドハンドと言えば、フィンランドのFIDA(フィダ)とスウェーデンのSTOCKHOLM STADSMISSION(ストックホルム・スタッズミッション)が有名どころです。

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どちらも、孤児や障害者・シングルマザーなどの支援、寄付・ボランティア活動を行う団体で、売上の一部が慈善事業に使われます。
両国では他にもいくつかのそうした団体が存在しており、リサイクルが人助けにつながる仕組みが確立されていて、私たちも学ぶべきところがあります。


各店とも主要な駅から近い場所にあり、整理整頓されていてきれいな店内が多いですね。

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ただし、その分商品の回転も速いので、ヴィンテージ食器は見つかったとしてもほんの少し。
ということで他のショップのついで程度ですが、必ず覗いてしまいます。食器だけでなく服や本などもありますよ。



一方、ほぼ完全な商売として運営されているセカンドハンドも。

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スウェーデンでは「SECOND HAND」、フィンランドでは「KIRPPIS(キルッピス、フリーマーケットの意味)」の看板が目印です。

お店によってはかなり雑多なところもあって、ちょっとした宝探しの気分。

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    1974年と書かれた手作り感たっぷりの可愛い椅子に惹かれたり・・・

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食器のすぐ横に靴が置いてあったり・・・

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自由気ままなのがセカンドハンドの良いところです(笑

というのも、ほとんどのセカンドハンドは、出品者がテーブル1台分を借りて不要品に値段を付けて並べるいうシステムなのです。
値札にはテーブル番号が必ず書いてあり、レジでは15番(テーブル)の5ユーロ、という風にレジ打ちします。
出品料はテーブル1つにつき1週間いくらという形。
蚤の市みたいに販売に立たなくて良いので人気があって、どのお店のテーブルもほぼ埋まっていましたよ。


適当に並べられているので、まさに目を皿のようにして探していきます。

スウェーデンヨーテボリのお店では、

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むむ?これはひょっとして・・・


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キャラクターものの下にあったのはノルウェー・Figgio(フィッギオ)社のかわいいボウルでした!


フィンランドタンペレでは・・・

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ぎょっ!服に埋もれたアラビアのFaenza(ファエンツァ)が!


といった具合に、ごちゃごちゃした中にヴィンテージものが隠れていたりするので、
とっても探し甲斐があって楽しいひととき。


お買い得価格ということもあってテンションも上がりがちですが、
ちょっとした罠もあるんです。

これは安い!と思って飛びついたアラビアの珍しいカップ&ソーサー、
よく見るとフチが欠けていたり・・・

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しかもよく見るとそのソーサーがロールストランドだったり・・・

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あぶないあぶない。

不要品なのでこうしたトラップはつきもの。
上の写真のファエンツァも、ほとんどがボロボロでした。


それでも思いがけず掘り出し物に出会うので、
セカンドハンドでの買付はやっぱりやめられません!
蚤の市と同じで、アンティークショップの方が効率が良いんですけどね。

うっかりしていると、楽しくてすぐに1~2時間経ってしまうので、それはそれは集中力をMAXにして臨むのです。


最後は番外編2つ。

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どういうわけか空き缶を売っていたのと(しかも値段が1ユーロもした)、どこかで見たことがある湯呑み。(笑


思わずツッコミたくなるヘンなものに出会うのも、それはそれで楽しい北欧のセカンドハンドなのでした。

 

 

 

・プロフィール
和田英朗

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2007年から都内某インテリアショップに勤務、店長を歴任。
その時に出会った北欧食器に強く惹かれ、2012年に北欧ヴィンテージ専門のWEBSHOP「pippuri(ピップリ) http://www.pippuri.jp/」を立ち上げる。

年に1回程度、フィンランドスウェーデンにて現地買付を行い、
1950〜80年代ならではの素朴な北欧デザインの素晴らしさを伝えるべく、催事にも積極的に出店している。

『ノルウェーの夏論』第2回 「季節の変わり目」

今月22日が夏至でした。一年間の一番日光の多い日だったこと、気づきましたか?

 

冬の暗い北欧では、この日光が溢れる日をお祝いする絶好の機会となります。中でもスウェーデン夏至祭が北欧で一番有名です。いっぱいの花に飾られた夏至柱の回りで踊ったり、花冠をかぶったり、屋外で親戚のみんなと一緒に祝宴を楽しんだり、とても華やかで素敵な祭りです。ノルウェーには、より質素な伝統があります。その中心になるのは、バイキング時代から受け継がれたと思われる夏至たき火になります。一番有名なのは、貿易港のベルゲン市のたるたき火です。

 

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ベルゲンのたるたき火

 

北欧に夏至の祭りなどが多いのは、夏至が一年の一番大切な変わり目になるからです。季節は光の加減でよく分かります。夏至は明るくなる季節が終わり、暗くなる季節の始まりです。暗い秋になるまでによく外で遊ぼうという気持ちは、日本で桜が散ってしまうまでに楽しくお花見をしたいと思うのと同じ気持ちとも言いえるのではないでしょうか。

 

北欧の夏の明るさはというと、北極圏の北にある24時間沈まない日の白夜がとても有名です。ノルウェーだと、この現象が見られるのは北ノルウェー地方で人口はわずか35万人くらいしかいません。すなわち、一般のノルウェー人の夏の夜は、たとえ日が沈んでも薄明りのような水色の夜の方が多いです。

 

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実家の真夏の景色、深夜3時ころ

 

前回(http://hokuonordic.hatenablog.com/entry/2015/06/15/000000)も語った通り、ノルウェー人は夏を精一杯楽しもうとします。夏の夜についても同じです。夏になると、大人も子供もいつもより遅くまで遊んでいます。夏の夜の過ごし方をきれいに表す、Vi skal ikkje sova burt sumarnatta (夏の夜を寝て過ごさない)という歌はとても有名です。歌として翻訳できることに自分の言語力は足りませんが、内容を伝えて見たいと思います。

 

明るいから、夏の夜を寝て過ごさない。淡い青空の下に、花畑の中を歩きながら露にぬれる。自然とのつながりを感じて、二人は朝までずっと一緒にいようと思う。

 

こういう風に、夏の夜にあるロマンスと素朴な幸せを表現することによって、典型的な夏の小唄になっています。

 

https://www.youtube.com/watch?v=uFLoXZ4uaig

https://www.youtube.com/watch?v=Enh1BRGrmpA

 

個人的には、長い間ずっと夏の明るい夜に楽しんできたことが2つあります。7月1日に誕生日がある親友は、郊外にある実家で友達のみんなとバースデーパーティーをしています。夜はホームパーティーでわくわくして、夜中の0時を過ぎたら全員が近くにある湖に行って、いきなりビーチパーティーになります。誰もいない自然の中、不思議な薄明の下、友達とワイワイ遊んで泳ぐのは、夏の最高の出来事になります。

 

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深夜1時、浮きシャチを持って行った友達二人

 

その一方、私の実家でのとても平穏な夜の過ごし方も大好きです。両親は、仕事の夏休みがあっても、6~7月の間はできるだけ実家を離れないようにしています。夏のハイライトは、夕日を見ることだからです。出身のトロンハイムには、夏至のころは日が夜11時半くらいに沈みます。実家から見える景色はちょうど沈むところに丘があるので、遅くても11時10分になります。晴れの日は両親が ベランダにデッキチェアを置いて、よく冷えた白ワインを一本開けてじっと空を見ながらあれやこれやをしゃべっています。1-2時間もそのまま座っているのは珍しくありません。実家にいるとき、必ず皆で一緒に幸せを感じながら日暮れをずっと見ます。実家のとても魅力的な習慣だと思っています。

 

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実家の夕日

 

海外に行ってから「明るくても寝れるの?」となんども聞かれました。実は、聞かれる前には一度も考えてないことでした。北欧ではベッドに入ると外の明るさは関係なく、寝る時間になる習慣があります。ノルウェー人の中にも暗くないと寝れないという人はいますが、そういう人は遮光カーテンを買っておくとみんなと一緒に暗い夜になるまでに精一杯楽しめます。

ノルウェーの不思議で素敵な明るい夏の夜は、楽しいことばかり。

嫌いになるなんて事は、きっとないでしょう!

 

ノルウェーの夏をイメージしながら、ノルウェーアイスティーを飲んでみませんか?北欧で人気のアイスティーの特徴は、甘くてさっぱりした味で、紅茶の苦味とのバランスを作ります。

 

北欧風アイスティー

 

このアイスティーには、甘い香りとさっぱりした味の北欧紅茶のセーデルブレンド(http://www.mg-nordic.jp/products/detail.php?product_id=208)がとても合います。

他のブレンドを使う場合、アッサムやイングリッシュブレックファスト等のタンニンが多くて苦い目の紅茶を避けたほうがいいです。

 <一人分>

1.お湯の½カップをマグカップに入れ、1カップ分の紅茶を入れる (セーデルブレンドの場合、2‐3グラム)

2.3‐4分間蒸らして、濃い目の紅茶を作る (蒸らす時間より、茶葉の量を増やして濃く作ったほうがおいしい。長く蒸らすと苦くなりやすい)

3.ホットのままで、砂糖を小さじ3~4杯入れて、よく混ぜる。レモンのスライスを1枚入れる。

4.マグカップに角氷を満たしアイスティーがよく冷えるまでかき混ぜる。

5.北欧風アイスティーの出来上がり!

 

甘くてフレッシュな味なので、暑い日には最適です。ホットで作るときのお湯の量を半分にして、レモンと砂糖を適量に増やせば、何人分も作れます。

 

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北欧夏至祭りの参考リンク

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A8%E3%83%BC%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%91%E3%81%AE%E5%A4%8F%E8%87%B3%E7%A5%AD

https://sweden.se/culture-traditions/midsummer/(英語)

 

ノルウェーたき火の写真

https://www.flickr.com/photos/signe_karin/5864563697/

https://www.flickr.com/photos/29745454@N04/4736329424/

 

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Ingrid Helene Ludvigsen(イングリ・ヘレーネ・ルドヴィグセン)

自己紹介

私はノルウェートロンハイムで生まれました。人口が18万人の、3番目に大きい町です。幼少期はオーストラリアで過ごし、イギリスの大学では日本学を専攻して日本にも留学生として2年ほど滞在しました。その海外経験によって、ノルウェーの面白いところや、ちょっと意外なところがより分かるようになりました。現在、東京のBLANCWAYでウェブの仕事をしています。

 

ぶらり北欧、街あるき 第6回「北欧ヴィンテージのお買いもの〜蚤の市編〜」

みなさんこんにちは!

「ぶらり北欧、街あるき」、
第6回は「北欧ヴィンテージのお買いもの〜蚤の市編〜」です。

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年に1度は必ず北欧買付に行くのですが、
その時に訪れるのが蚤の市、セカンドハンドショップ、アンティークショップの3種類。
まず今回は蚤の市についてです。いわゆるフリーマーケットですね。


まずはスウェーデンからご紹介。
ストックホルム郊外にある競馬場の駐車場を使って開かれていました。
荷物を出すそばから人が群がっていくのは万国共通ですね!

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そばでは10円玉がなんと2クローナ(約30円)で売られていました(笑

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ちなみに、第2回でご紹介した招き猫もここで見かけたものです。

ここは個人が気軽に不要品を出しているので、
ヴィンテージ食器はちょこっとしか見つからず。


対して、プロの業者さんが出店している蚤の市もあって、
こちらはストックホルムのヒュートリエット広場で毎週開かれる蚤の市。

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値段は蚤の市というイメージよりだいぶ高いのですが、
グスタフスベリやロールストランドのヴィンテージが揃っています。

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ストックホルム中心部に位置していて行きやすいので、観光ついでにおすすめの所ですよ。


郊外で年に数回、大々的に開かれる蚤の市にも行ってきました。
寒い中で開場待ちの長い列ができていてびっくり!

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会場内はものすごい人と熱気。

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レトロなブリキ缶なんかもあって個人的にも欲しくなってしまいます。

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アンティークショップでは高額過ぎて手が出せないレアものも、
まずまずのお手頃価格で買い付けができました。

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続いてフィンランドです。

各ガイドブックにも載っているヘルシンキ・ヒエタラハティ広場の蚤の市は、
トラムで行きやすい場所なので日本人の観光客の方々もちらほら。冒頭の写真もヒエタラハティです。

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出店者はプロ・アマ混合で、掘り出しものが見つかることもあります。
この時はティーマの前身・キルタのグリーンがまとめて売られていました。

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5月には、ヘルシンキで開かれていた蚤の市にも行ってみました。

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Siivous Paiva=「clean day」というイベントで、不要品を処分して家を片付けてしまいましょう!という一日。
ヘルシンキのほとんどの公園内や道端など、ところどころで自由気ままに出店していました。

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日光浴や昼寝がメインの人もいましたが...
それでも、色んな年代の人たちが気軽な気持ちでリサイクルを楽しもうというスタイルは私たちも見習うべきところがあると思います。

使いかけでしたが、マリメッコの生地などが買えましたよ。


年間を通して開催している蚤の市もありますが、
4月から9月あたり、特に暑くなる季節は毎週至る所で蚤の市が開かれているので、街中で開催情報に出くわすこともしばしば。

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スウェーデンではLoppis(ロッピス)、
フィンランドではKirpputori(キルップトリ)という蚤の市の意味の単語は絶対に見逃せません!


買付品が一番見つかりやすいのは品揃え豊富なアンティークショップなのですが、
蚤の市は思わぬ掘り出し物があったり、変なものを売っているのが面白かったりして、
効率は悪いのにやめられません。
ついつい行っていしまいます。

北欧を旅する機会があれば、蚤の市も行程に入れて楽しんでみてくださいね。

 

・プロフィール
和田英朗

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 2007年から都内某インテリアショップに勤務、店長を歴任。その時に出会った北欧食器に強く惹かれ、2012年に北欧ヴィンテージ専門のWEBSHOP「pippuri(ピップリ http://www.pippuri.jp/」を立ち上げる。

年に1回程度、フィンランドスウェーデンにて現地買付を行い、1950〜80年代ならではの素朴な北欧デザインの素晴らしさを伝えるべく、催事にも積極的に出店している。

  

『ノルウェーの夏論』第1回 「梅雨はなくても、夏の雨が…」

ノルウェーの夏論

Ingrid Helene Ludvigsen(イングリ・ヘレーネ・ルドヴィグセン)

 ノルウェーは冬のほとんどが闇なのに対して、夏は明るくて暖かいので、ノルウェー人は夏の間に生活を精いっぱい楽しみます。暗くて寒いイメージがあるノルウェーの夏が、実はとても魅力的で楽しいことをぜひ伝えたいと思います。

 

第一回「梅雨はなくても、夏の雨が…」

 日本の独特な季節といえる梅雨がやってきました。きれいな季節の変わり目になっています。

 ノルウェーも日本のように四季がありますが、その移ろいは雨や気温の変化というより、むしろ光の加減でとても良くわかります。たとえ雨が降っても、不思議と夏の明るさは変わらないのです。ノルウェーに梅雨はなくても、明るい雨が夏の気配を感じさせてくれます。

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 トロンハイムノルウェーの真ん中に位置しますが。さらにノルウェーで2番目の都市ベルゲンも西海岸やヨーロッパの中でも雨が一番多い町と言われています。また、トロンハイム地方は天気が変わりやすいので暑い夏の日に突然キツネの嫁入りみたいに真っ青な空から激しい大雨が降ってくることもよくあります。

 突然の大雨に驚く私に、友達は笑いながら「トロンハイム出身でしょ?トロンハイムの夏はこんなもんだよ」と言われてしまいました。

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 こんなわけで、ノルウェーでは「天気いいから、内にいるのはもったいない!」晴れの日は、仕事よりも大事なことがあると3時に帰る人が多いです。読書好きで虫嫌いの私もしょっちゅう両親に夏の楽しみ方を教わりました。

 天気のいい日友達と公園でのんびりビールを飲んだり、湖畔で日なたぼっこをすることや暑くてたまらない時は何度も湖で泳いだり、我が家のベランダで気楽に晩ご飯をバーベキューにして日が沈むまで話し合ったり、典型的な夏の日を楽しみながら過ごすようになりました。

  たとえ楽しい夏の雨が長くて嫌だと思っても、晴れた日が続き温度が30度近くなれば、「少しでもいいんだけど、雨ほしいな」と言う人がだんだん増えて行きます。ノルウェーの住まいも人間も高温向きに作られていません。そして、もし、楽しくて永遠に続く晴れがあったなら、たとえ大らかなノルウェー人でもいつまでもサボってなんかいられません。雨の日があるからこそ晴れの日が楽しいです。

 

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 やっと来る夏の雨はおいしいです。のどの渇いた世界は、しっとり潤う感じになります。どこにいても、なぜか森の中にいるような爽快で清浄な香りがします。その時は、外へ走り出てずぶぬれになりたいくらい雨が好きです。 

 梅雨の時期にも、雨がいやな気持ちではなく、暑い時にも思い出せるように雨の感触を楽しんでみませんか?

 

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Ingrid Helene Ludvigsen(イングリ・ヘレーネ・ルドヴィグセン)

自己紹介

私はノルウェートロンハイムで生まれました。人口が18万人の、3番目に大きい町です。幼少期はオーストラリアで過ごし、イギリスの大学では日本学を専攻して日本にも留学生として2年ほど滞在しました。その海外経験によって、ノルウェーの面白いところや、ちょっと意外なところがより分かるようになりました。現在、東京のBLANCWAYでウェブの仕事をしています。

 

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