北欧Nordicshop きまぐれミニコラム

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ぶらり北欧、街あるき 第5回「北欧のお酒事情」

みなさんこんにちは!

「ぶらり北欧、街あるき」、
第5回は「北欧のお酒事情」についてです。

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北欧買付中に欠かせないのがごほうびビール。
その日の仕事が終わったら飲めるということをモチベーション(?)にして、
せっせと梱包する毎日です。

そんなお酒好きにとって、北欧のアルコール販売体制は制限があるため油断ができません。

特に厳しいのがスウェーデンです。
スーパーではアルコール度数3.5%以下のお酒しか置けず、
3.5%を超えるお酒は、「Systembolaget(システムボラーゲ)」という国営の酒屋さんで買うしかありません。

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というのも、昔スウェーデンでは大酒飲みが多く社会問題化したからで、
1922年には飲酒を禁止するかどうかで国民投票(!)が行われ、
かろうじて禁酒反対派が勝ちましたが、
それ以来厳しい制度が敷かれるようになりました。

やはりバイキングの血を引く荒々しい一面もあるからでしょうか?


システムボラーゲは平日10-18時、土曜日10-15時営業が一般的で、日曜日はなんと休業。
それでも十数年前まではなんと土曜日も閉まっていたようで、少しは緩和されているとのことです。


3.5%のビールもおいしくないわけではないですが、ちょっと物足りないところ。

ということで、買付の合間を縫って計画的に(笑、
システムボラーゲに行くことになります。

店内はひたすらお酒が並んでいて、おつまみなどを売っている雰囲気はありません。

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だいたいのお店が、ワインコーナーが一番種類が豊富。

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山崎や白州などの日本のウィスキーも見かけましたよ。

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ビールはケースごと置かれているだけのスウェーデンらしい合理的な方式で、冷えているのはごくわずかですが、
ビール自体がおいしいせいかぬるくても結構いけます。

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金曜日の閉店時刻間際に行くと、週末を控えていることもあってレジには長い行列ができていました。    

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システムボラーゲの存在は何となく知っていたものの、
最初の頃はちゃんと調べてはいませんでした。

しかし、ある時招かれた日本人夫婦のお宅でいただいた、7%台の強めのビールが忘れられないほどおいしくて、
それ以来はちゃんと場所を調べて、こんな具合にまとめ買いをするようになってしまいました。

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今では買付中だけのお楽しみです。


強めのお酒があると思えば、スーパーでかなり度数の低いビールを売っているのもスウェーデンの特徴。

3.5%があるかと思えば

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2.8%や0.5%も。

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2.2%もあったりと結構刻んできます。

現地の人に聞いたのですが、
2.25%以下はクラスⅠと呼ばれるライトビールで、車社会のスウェーデンではランチビールとして一般的なのだとか(厳密にいって問題が無いかは不明)。



ところ変わってフィンランドです。

人種的に少しおっとり気味なのかスウェーデンよりは少し規制が緩めで、
スーパーでは4.6%までのお酒が買えることになっています。

それ以上の度数のビールやワインなどは、スウェーデン同様に国営の酒屋さん「Alko(アルコ)」で購入します。

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(alko=alcoholというそのまんまの名前がちょっと笑えます)

平日は9-20時・土曜日は9-18時営業(日曜日は休み)の店舗が多く、スウェーデンの後に来るとつい便利だな~と思ってしまいます。


4.6%で事足りるのか、ビールの種類は少なめ。
5.2%や5.7%をアルコで売っていますが、スーパーとあまり変わらないですからね。

8%のビールもトライしてみましたが、濃いビールは個人的にスウェーデンの方が味がしっかりしていておいしかったです。



スーパーで4%台が手に入るといっても、
フィンランドではアルコールの販売時間に要注意。
21時を過ぎると販売できない決まりなのです。

ということで、金曜日の20時半頃にスーパーに行ったときはお酒売り場は混乱状態。
みんなが急いでカゴにビールを入れ出すので空箱が散らかっています。

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そばには警備員がいて、腕時計を見ながら21時になったら問答無用でシャッターを閉めます。
人がいてもお構いなしで厳格にやり遂げます。

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冷蔵庫にも大げさと思えるほど頑丈な鍵がされました。

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そしてここでもレジには長蛇の列です!

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もう1つの注意点はスーパーへ行くときもパスポートを携帯しておくこと(酒屋さんもです)。
フィンランドではお酒の購入客が30歳未満に見える時は身分証明書の提示を求めても良いという決まりになっています。
レジの脇にもちゃんとそれが示されています。

私も一回だけ求められて、珍しくホテルに置き忘れていてちょっと苦労しました。

日本人は特に若く見られがちなので、現地でお酒を買う際は注意してくださいね。


でもよくよく考えたら、「30歳以下に見えたら」というルールは良いところを突いている気がします。
(フィンランドで飲酒可能な)18歳以上か以下かを見分けるのは難しくても、
18歳の人が30歳以上に見えるということはまず無いので店員さんも聞きやすいですし。

日本のコンビニで、明らかなおじさんが20歳以上のボタンを不服そうに押してお酒・たばこを買っているのに比べたら、良いアイディアなんじゃないでしょうか。


逆に、北欧から見たら日本のコンビニで24時間お酒が買えるのはまずまずのカルチャーショックだと思います。
マナーは別として、屋外でも自由に飲めますし。
(スウェーデンでは公共の場での飲酒は禁止)    
某長距離通勤電車内で立ち飲みしているサラリーマンやお花見を思い浮かべたら、日本はなんだかほのぼのしているなあと思ってしまいました。


 

・プロフィール
和田英朗

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2007年から都内某インテリアショップに勤務、店長を歴任。
その時に出会った北欧食器に強く惹かれ、2012年に北欧ヴィンテージ専門のWEBSHOP「pippuri(ピップリ) http://www.pippuri.jp/」を立ち上げる。

年に1回程度、フィンランドスウェーデンにて現地買付を行い、
1950〜80年代ならではの素朴な北欧デザインの素晴らしさを伝えるべく、催事にも積極的に出店している。