北欧Nordicshop きまぐれミニコラム

北欧Nordicshopのミニコラム。お買い物につかれたらこのコラムで一服してください。

『ノルウェーの夏論』第1回 「梅雨はなくても、夏の雨が…」

ノルウェーの夏論

Ingrid Helene Ludvigsen(イングリ・ヘレーネ・ルドヴィグセン)

 ノルウェーは冬のほとんどが闇なのに対して、夏は明るくて暖かいので、ノルウェー人は夏の間に生活を精いっぱい楽しみます。暗くて寒いイメージがあるノルウェーの夏が、実はとても魅力的で楽しいことをぜひ伝えたいと思います。

 

第一回「梅雨はなくても、夏の雨が…」

 日本の独特な季節といえる梅雨がやってきました。きれいな季節の変わり目になっています。

 ノルウェーも日本のように四季がありますが、その移ろいは雨や気温の変化というより、むしろ光の加減でとても良くわかります。たとえ雨が降っても、不思議と夏の明るさは変わらないのです。ノルウェーに梅雨はなくても、明るい雨が夏の気配を感じさせてくれます。

f:id:hokuonordic:20150612231417j:plain

 

 トロンハイムノルウェーの真ん中に位置しますが。さらにノルウェーで2番目の都市ベルゲンも西海岸やヨーロッパの中でも雨が一番多い町と言われています。また、トロンハイム地方は天気が変わりやすいので暑い夏の日に突然キツネの嫁入りみたいに真っ青な空から激しい大雨が降ってくることもよくあります。

 突然の大雨に驚く私に、友達は笑いながら「トロンハイム出身でしょ?トロンハイムの夏はこんなもんだよ」と言われてしまいました。

f:id:hokuonordic:20150612231619j:plain

 こんなわけで、ノルウェーでは「天気いいから、内にいるのはもったいない!」晴れの日は、仕事よりも大事なことがあると3時に帰る人が多いです。読書好きで虫嫌いの私もしょっちゅう両親に夏の楽しみ方を教わりました。

 天気のいい日友達と公園でのんびりビールを飲んだり、湖畔で日なたぼっこをすることや暑くてたまらない時は何度も湖で泳いだり、我が家のベランダで気楽に晩ご飯をバーベキューにして日が沈むまで話し合ったり、典型的な夏の日を楽しみながら過ごすようになりました。

  たとえ楽しい夏の雨が長くて嫌だと思っても、晴れた日が続き温度が30度近くなれば、「少しでもいいんだけど、雨ほしいな」と言う人がだんだん増えて行きます。ノルウェーの住まいも人間も高温向きに作られていません。そして、もし、楽しくて永遠に続く晴れがあったなら、たとえ大らかなノルウェー人でもいつまでもサボってなんかいられません。雨の日があるからこそ晴れの日が楽しいです。

 

f:id:hokuonordic:20150612231704j:plain

 やっと来る夏の雨はおいしいです。のどの渇いた世界は、しっとり潤う感じになります。どこにいても、なぜか森の中にいるような爽快で清浄な香りがします。その時は、外へ走り出てずぶぬれになりたいくらい雨が好きです。 

 梅雨の時期にも、雨がいやな気持ちではなく、暑い時にも思い出せるように雨の感触を楽しんでみませんか?

 

f:id:hokuonordic:20150612232023j:plain

Ingrid Helene Ludvigsen(イングリ・ヘレーネ・ルドヴィグセン)

自己紹介

私はノルウェートロンハイムで生まれました。人口が18万人の、3番目に大きい町です。幼少期はオーストラリアで過ごし、イギリスの大学では日本学を専攻して日本にも留学生として2年ほど滞在しました。その海外経験によって、ノルウェーの面白いところや、ちょっと意外なところがより分かるようになりました。現在、東京のBLANCWAYでウェブの仕事をしています。

 

ブランウェイ 代官山 紅茶・ティーグッズ・銀食器・北欧雑貨」