『日々を楽しむもの選び』第4回
北欧では、農閑期(農作業が落ち着く時期)に入ると、各家庭で手仕事によって、温かみがあり品質の高い手工芸品が作られています。それらの事を、スウェーデンでは、Hem(家で) 、Slojd(手仕事)、をつなげてヘムスロイド(庭内手工芸の意)と言われています。
古くから大切にされてきた技術と実用的で現代的なデザインが融合した木製品が沢山作られており、実際に使ってみると見た目が素敵なだけでは無く合理的に出来ている事がわかります。
実際に使って便利で日常の必須アイテムになっているのは、バターナイフとカッティングボードがセットになっている物です。
バターナイフはステンレスの物と違って木の温度が温かいため、バターをそいでいくとマーガリンのように柔らかく取れてパンに塗りやすくなります。
バターのオイルが木に自然に入ってコーティングされているため、水分をはじき、より耐久性も出てきます。
木のカッティングボードは造形も美しいので、まな板っぽくならず、チーズボードしてもテーブルでお使いいただけます。
そのようなヘムスロイドの商品の良さに造詣が深く、独自の審美眼でセレクトされた商品を長きに渡り定番として扱って下さっているのが吉祥寺の『Roundabout(ラウンダバウト)』と『OUTBOUND(アウトバウンド)』を運営されている小林和人さんのお店です。
特に『Roundabout(ラウンダバウト)』では、用の美を感じられる中にも長く使って行ける物を中心にセレクトされ、『OUTBOUND(アウトバウンド)』では抽象的なアイテム等でも手に取った方が創造していけるような余白感のあるアイテムを中心にした日用雑貨を展開されています。
いつ行っても小林さんのフィルターを通したもの達が美的に輝いて見える空間で刺激を受けます。
〜Profile〜
Triangle &Co. 石毛さおり
幼少の頃から北欧のデザインやプロダクトに囲まれて育つ。暮らしにまつわる、北欧の魅力ある商品を輸入し紹介している。今は誰にでも愛される息の長い魅力あるものに出会いたい、また大切にしてゆきたいと思っている